« October 2004 | Main | December 2004 »

November 30, 2004

19歳の死をおもう

不在とはジンビターズを飲み干した凍れる喉の渇きの永遠


流れたる涙の色はそこここの君の不在に零れ続ける

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 29, 2004

今日のニュースから

冷蔵庫のトマトは闇に艶やかで 昨日逝く少女には ない夕焼けを見る

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 28, 2004

音楽1

ピアソラのタンゴは二人この街で誰かを追い抜くときに流れる


夕暮れにベートーヴェンを聞きそびれ帰りに読んだ「在りし日の歌」

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 27, 2004

残景

朽ちた葉に吸われるように座す老婆に木漏れ日はなく だた犬!犬!犬!

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 26, 2004

週末ということ

がに股で歩く少女の偽悪さえ愛してしまう金曜がある

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 25, 2004

昨夜の愛と通勤と

いとおしい君の性器に君という名前をつけて水になる夜


けさ出会うその一つ目の信号は袋小路へ曲がれの合図

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 24, 2004

コーヒー

突き抜ける私の心の中心に闇 作るためにコーヒーを挽く

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 23, 2004

休日の過ごし方

夕刻に眼鏡をはずして私はきらきらとした温泉に居る

携帯のメールに返す言葉なくて秋の空には似合わない雲

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 22, 2004

今週も本

平積みのポップのついた本みたい 「熱があるの」と風邪の日の君(黒田)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 21, 2004

雨と飯

傘はない でも出てゆくよ夕べには晴れると予報が出ているからさ


牛蒡刻む香りが開く栗色の肌の女は甘く愛しい

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 20, 2004

週末は本

ゆうべ見た女の肌の色をしたカバーをつける書店があった(黒田)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 19, 2004

ヌーボーを飲んだ

屈託のないあなたと飲んだ赤い酒は血の匂いなど少しもしない

笑顔だけを抱きしめるような感触で君の温度を飲み干した夜

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 18, 2004

回想

破綻という自分史を語る女からの肉の匂いでコーヒーを飲む

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 17, 2004

再会と邂逅

Nという女にあった爛熟した夕日は落ちて行くしかなかった

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 16, 2004

サディスティック短歌

不時着のマニュアル本を探しているやつの背中を眺めるのが好き(黒田)


I can fly. You can fly.の世の中なんです 悲しみなんか言うこともなく

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 15, 2004

怒ったら雨

縦書きの本を横書きに読む君は明日の夕日にうずめてしまえ(黒田)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 14, 2004

冬の日差し

長すぎる彼女の脚は影になりまだとまらないブランコに乗る

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 13, 2004

ゆっくりと

今日はもう3時過ぎには暗くなるそれなら苦いあたたかい酒


温泉に行こうと決めた今日なのに少し風邪気味ごろごろと寝る

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 12, 2004

朝の雨

君の踏む落ち葉の跡は小さくて抱きしめてみる小雨の朝に

君がする桃色マフラーの編み目よりずっとシンプルな二人の関係

Continue reading "朝の雨"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 11, 2004

はるか

はるかという女のメールが届く夜笑えなくってまた酒を飲む


お姫様が涙の海に沈むってはるかは書いた笑いもせずに


いつの日かまた雪が降るはるかを乗せた昇降機上る

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 10, 2004

叙情

平板な叙情を持っていることを認めて笑える僕になりたい


性愛を知らざりし頃の感興を思えばこの世に魔法なんてない

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 09, 2004

また本です。

我が部屋を占領しつつある本たちへ 窓はやめてね。逃げ出すんだから。(黒田)


「絶対に泣けます」というこの本で笑うやつらをみんな知ってる(黒田)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 08, 2004

本と、その他

エロ本の袋とじ程度の恋でしただからもちょっと見てもいいすか?(黒田)


「あなたもきっと上手くいく」って本を読む人が陥る恋にはまってみたい(黒田)


| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 07, 2004

秋の食べ物

小さくて赤くて薄いくちびるに吸い込まれてゆく鯛のあら汁


ふぐ刺しのように僕たち薄っぺらな脂身のない愛でいようね

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 06, 2004

本本へへへ

あなたとの思い出はもう本になり秋に一回開くだけです(黒田)


山鳩の写真が載ってるこの本の山鳩の目で山を見て泣く(黒田)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 05, 2004

お出かけ

青空にDIVEするような君の家へゆく5分前の今の坂道

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 04, 2004

追悼

叫びなんか
     
       及びもしない見ぬはずの夢を見つけて眼が醒めた朝 
     
     
どうしたいの?

        道のはずれに寝転んで砂塵の向こうの終わりの朝に

怒りでも脱力でもない意味のない戦争を始めた奴の新たな4年

お帰りと言う声のない帰郷など求める奴はどこにもいない

ふるさとのお空と土になじむまで何もないように眠ってください

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 03, 2004

みいさんありがとう

百花図の夢を見たから今晩はくつくつ煮えるあったかい鍋

| | Comments (0) | TrackBack (0)

本ですか

東北はケンジシュウジにまたシュウジとつかれたように本を読む甥(黒田)

Continue reading "本ですか"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 02, 2004

本で遊ぶ

2000年をいいかげん超えてから書棚で見つかる書籍『諸世紀』 (黒田)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 01, 2004

晴れ間

だれひとり会うことのない休日の晴れ間を一人窓を見てみる


当然のようにあなたの風船は雲の切れ間を登ってゆきます


僕はもう深まりなんかしはしない君の名づけた猫が横切る

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« October 2004 | Main | December 2004 »