題詠マラソン051~060
051:泣きぼくろ きみの書く「。」の代わりの「.」は泣きぼくろだねサヨナラ昨日
052:螺旋 人の世は上昇をする螺旋なり足下に同じ過ちがある
053:髪 真昼間をぼくは一人で歩くだけこの春風で髪を染めたい
054:靴下 靴下は昨夜の私の悲しみの形のまんまにせつない青だ
055:ラーメン 生き延びるただそのためにこの昼は君が作ったラーメンを喰う
056:松 松戸まできみを送ってその帰り海まで少しの街に降り立つ
057:制服 川原には桜草あり制服の少女の歩く匂いのように
058:剣 大国の剣の前に慟哭す群集の影は砂塵へ入る
059:十字 君の胸に金の小さな十字あり罪にもならぬ溜め息をつく
060:影 群れあそぶおのこらの影乱雑でこの砂浜に秋の波来る
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