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June 30, 2005

炎天に交尾する亀をきみと眺めた

山羊の目は夏の日差しに切り裂かれあなたの胸はささやかである

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June 29, 2005

2周目 050:変

柚の木の蛹が蝶に変わるとき棘には愛の言葉がゆれる

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June 28, 2005

泳者の汗の中を泳ぐ

陽に焼けて痛んだ髪を解くときお前を抱いた風になったよ

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June 27, 2005

夏に咲く花の色を集める

夏の陽におまえの髪はそよそよとその影を作る 花が咲いている

ミツバチは小さな羽根を震わせて夏咲く花の蜜を吸い来る

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June 26, 2005

友人の余命を聞いた

グレービーソースは皿に広がって艶々とした夕刻である

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June 25, 2005

2周目 049:ワイン

部室にてあついあついとあのひとはワイン色したリボンを解く

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June 24, 2005

浅黒い女の腕だけが愛しい

みっちりと実れる腕に噛み跡をつけてはそれで酒をまた飲む

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June 23, 2005

2周目 048:袖

きみのその袖から見える手首には僕のではない午後五時がある

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June 22, 2005

2周目 047:大和

今僕は部屋から出ない青丹よし大和の国の八重垣のごと

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June 21, 2005

雨が痛いくらいの夢を見たのさ

雨の日にスプリンクラーはくるくると湿った幹に水を吐き出す

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June 20, 2005

酔いの程よいときにせせらぎを見る

美酒の いや美酒の寿ぎの ささ寿ぎの 美き米の香 この野辺の 菫花の香 げに美し この一献の 美酒は 欅五百の歳なる命水 甘き美酒飲む 笑み咲きてえな

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June 19, 2005

多情であれ。純粋な女よ。

この頃のお前の髪のカルキ臭は潮の香よりもいくらか好きだ

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June 18, 2005

2周目 046:泥

泥だらけの栄光なんて何もなく水道の水は生ぬるいまま

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June 17, 2005

愛しきものよ、あれ。

背の高い君の微笑みはだれよりも太陽に近い近い いとしい

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June 16, 2005

幼年を歌うな

少年と幼年時代の肌などを客観的に月は照らすな

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June 15, 2005

2周目 045:パズル

この空は青いパズルだ千万の同じピースが僕へと落ちる

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June 14, 2005

2周目 044:香

新しい女の香りを漂わせ幼馴染は自転車をこぐ

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June 13, 2005

2周目 043:馬

いななけば馬の毛並みはそのままに陽の照る山につながってゆく

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June 12, 2005

2周目 042:官僚

日曜に庭草を刈り煙草吸う官僚である父の炎天

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June 11, 2005

2周目 041:迷

迷い子は泡沫を見る川風が矢車草を薙ぐ川原にて

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June 10, 2005

卵管閉塞の手術跡のある真昼

懐かしい白い下腹鮮やかな珊瑚のような刺し傷に触れる

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June 09, 2005

離婚したといって笑う友人

うす白い肩の線だけ震わせて5年の終わりをただ笑うきみ

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June 08, 2005

2周目 040:おとうと

おとうとの体臭のするこの部屋でたった一人で眠っていたよ

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June 07, 2005

2周目 039:紫

名も知らぬ紫の花咲いていてテストは22点の夕べ

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June 06, 2005

2周目 038:横浜

横浜のガード下には落書きの僕の瞳が空を見上げる

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June 05, 2005

思いがけない電話のある夜

陽に焼けたおまえの喉が搾り出す敬称のないわたしの名前

もう一度泳ぎたいとか云う女は昔愛した太股で立つ

あたたかいのはおまえの肌の褐色の結果だろうか シミコンデクル

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June 04, 2005

眠りたくないのに眠ってしまう。バカ

高千穂という名の酒を飲みすぎてサッカーも見ずテーブルで寝る

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June 03, 2005

雨①

どうしても降る気で雨が降り出してしまったのだが帰りは電車(黒田)

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June 02, 2005

2周目 037:汗

汗臭い夕方僕はオレンジに溶けてゆくのだ部室の中で

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June 01, 2005

2周目 036:探偵

探偵の小説のように鮮やかにあなたについてあばいてみたい

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