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November 19, 2005

チューリップ刑罰④

さっくりと白身魚を小麦粉に圧す いま私が割れてしまった

あの朝は街がきこきこと鳴るようで古い自転車に乗りたくなった

サニーレタスは冷蔵庫の中でなぜかいつも少しだけ湿ったままだ

愛玩動物は野辺に死んでいるコボレルコボレルコボレル苦しい

百円のキャベツを探しあてた時のあなたのように私は笑む

どこまでも透明であるポスターを貼り付けたままの墓所のある街

ラピスラズリの猫の指輪がどうなってもいい昼間に光る

新しい電子レンジを買いに行き泣き出してしまうきみという女

肉じゃがの糸こんにゃくが長すぎる謀略という夕餉だろうか

雨も降る劣情もあるこんな夜はきみの下着を干すに限るさ

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